因幡修次という名の妖怪の音楽~Music of the monster named Shuji Inaba~

2014/11/28

『ちょっこし しげーさん』



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作詞/作曲 因幡修次

ちょっこし しげーさん
まめにやっちょうかね
がいに貧乏暮らしで苦労しちょうらしね
どげなかね?
ちゃんと食っちょうかね?
あんたもきこだけん
もうちょんぼまるんならんといけんよ
だんだん だんだん

もう ちょんぼだけん
待っとってごしなさいや
貧乏神も そろそろ退散するけん
そげかね
みんなまめにやっちょーかね?
おかあちゃんも年だけん
けんべきが出らんやにね
だんだん だんだん

だらず!いらんしぇわだけん
ウチらのことはどげでもいいけん
今日食べるめしのこと 心配してごしなさいや
あげだね~
貧乏神にはおべたね~
えすこにするだよ
今度はいつ 帰えーかね?
だんだん だんだん

なんとか食っちょるけん    
そげん心配するなや
わしは漫画しか 能がないけんの
そげそげ
親孝行もできんでな
すまんな 心配かけて
みんなにえすこに言っといてごせや
だんだん だんだん

そぎゃんこと 言うけどね
あんたは昔から らすがねけんね
心配すうのも 親の仕事みたいなもんだわね
どげかいね~
子供はいつまで経っても 子供だけんね
心配しちょうよ
ぼちぼち やーだよ
だんだん だんだん
だんだん だんだん




なまり、方言、お国言葉。


長旅から最寄りの駅に帰って来た時、
地元ではない場所で、心細くなった時、
心が弱っている時、一人だと感じる時。


故郷の祭りのニュースが、テレビやラジオから流れてきたり、
ふと耳にした声に、懐かしいイントネーションを聞きとったり
たったそれだけのことなのに。

"どっこらしょ”とつぶやきながら、もうひと踏ん張りできたり、
なぜかしら、優しい気持ちになったり、
人との距離が急に縮まったと感じたり、、、

そんな経験、誰もが一度はしたことがあるのではないだろうか?


この『ちょっこし しげーさん』は、
2010年の某国営放送の朝の連続ドラマに傾倒された因幡さんが、
主人公の茂さんとお母さん(愛称イカルさん)の
お互いを思いやるやり取りを歌にされたもの。

ドラマの舞台が島根だったこと、元々、茂さんの大ファンだったこともあり
念願の出雲弁の歌を作られたそうだ。

このお歌を動画にする際、無理を言って、正確に標準語に翻訳していただき、
字幕では、出雲弁と標準語と同時に出させてもらっている。

標準語の歌詞だけを追うと、正直なところ、他人行儀というか、
"もうちょっと、言い方があるだろうが~”とか思ってしまって
あんまり情景が目に浮かばない。

なのに、意味を半分ぐらいしかわからない出雲弁のこのお歌を聞くと
なんともいえない懐かしさと優しさを感じるのはなぜなんだろう。


因幡さんのお歌は、ジャンルが”因幡修次"だと思っている。
テーマも、伝えたいことも、色んな方面に広がってる。
歌われる歌詞も、標準語、女性言葉、巻き舌やんちゃ言葉、
若い世代が使われているググらないと意味のわかんない言葉、様々だ。
もちろん、それぞれが魅力ある因幡さんワールドのお歌だ。

でも、私は、方言の、日本語の素晴らしさを感じるような、
人と人との暖かさを感じるような、
こんなお歌を因幡さんにもっと歌い続けてほしいと、思っている。