因幡修次という名の妖怪の音楽~Music of the monster named Shuji Inaba~

2017/03/11

『願~ねがい~』



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作詞/作曲 因幡修次

でっかいベットが欲しいとか
人もうらやむようないい女が欲しいとか
地位や名誉が欲しいとか
誰かさんのようなえらい肩書きが欲しいとか
いい車に女を乗せてぶっ飛ばしてやりたいとか
札束抱えて一生遊んで暮らしたいとか
あれもこれも欲しいものが多すぎる
自分の欲望ばかりで腹一杯
ああ空しい
ああ苦しい
ああ悲しいかな人の世に生まれてきたけれどあてはなし
私の願いはあなたが幸せをつかむことなのです

いい男と朝までやりたいとか
世界一大きなダイヤが欲しいとか
今よりもっともっと綺麗になりたいとか
形のいいバストになりたいとか
美味いものを食べてスマートになりたいとか
楽してお金が欲しいとか
あれもこれも欲しいものが多すぎる
自分のわがままばかりで精一杯
ああ恋しい
ああ愛しい
ああ悲しいかな人の世に生まれてきたけど夢ばかり
私の願いはあなたのそばにいたいだけなのです

ああ空しい
ああ苦しい
ああ悲しいかな人の世に生まれてきたけれど運はなし
わたしの願いはあなたが笑顔でいてほしいだけなのです
わたしのほんのささやかな願いはあなたを見つめていたいだけなのです



あの日が来た。

もう6年になる。
あの春に避難先で入学した小学生が、卒業式を迎えるだけの時間がたった。

東日本大震災に思いをよせながら書かせていただいた
今までの記事を読み返してみる。

あの日のテレビで見たすさまじい映像。
恐怖で押しつぶれそうになり、これは映画なんだ、CGなんだと思い込もうとした日。

離れた地で今すぐできることは、日常をしっかり生きることだと言い聞かせ、
電話やネットでつながれた方たちと励まし合った日。

そんな中に生まれた、歌われつづけた歌の数々に、
流せなかった涙を流し、力づけられ、勇気と元気をもらった日々。

それらの歌を聞くたびに、東北の地名を聞くたびに、
あちらの世界に行かれた方々を、被災された方々を、
復興の地で頑張ってくださっている方々のことを、思い、祈る6年。
色んなことのあった6年。


『願~ねがい~』


因幡さんがお若い時に作られたというこの作品。
人間として、男として女としての、ストレートな願いが
歌詞に盛り込まれている。

小さいのやら、大きいのやら、様々な夢。
お金があれば叶う夢もある。努力すれば叶う夢もある。
たとえ色んな理由で、今は叶えられない夢だとしても、
いつかは叶えることができるかもしれない夢。
大切に思ってくれている誰がが一緒に叶えてくれるかもしれない。
そんな、誰もが持っている、叶えたい夢。、


生きていると色んなことがある。
夢を見れない、叶えたい願いもない。
そういうやりきれない思いに囚われる時が、誰にもあると思う。

でもどうか、思い出してほしい。
大切に思う人のことを。自分のことを大切に思ってくれている人のことを。
思っていてくれていた人のことを。


"わたしの願いはあなたが笑顔でいてほしいだけなのです"


"あなた"が、大切に思う人が、笑顔でいることを見るために、顔をあげてください。
"あなた"が、大切に思う人が、笑顔でいられるように、前を向いてください。
まだ"あなた"が傍におられないとしても、
これから出会う"あなた"のために、立ち上がってください。

もし、"あなた"が、大切に思う人が、あちらの世界に行ってしまわれたのだとしても、
たくさんの夢をもう叶えられなくなってしまわれたとしても、
まだ一つだけ叶えてさしあげられる、その方の願いがあるんです。


"私の願いはあなたが幸せをつかむことなのです"



きっと、"あなた"の願いも、"わたし"が笑顔でいることなのだから。
きっと、"あなた"の願いも、"わたし"が幸せをつかむことなのだから。


笑顔は伝染する。
そしてその笑顔が、また別の願いをかなえる原動力になる。。
誰もが持つ、色んな小さな願いが夢が、また一つまた一つ叶っていくことが、
人間の生きる力に、しんどいことを吹き飛ばす力に、幸せを奇跡を呼び寄せる力になると、
私は思っている。


東北の復興はゆっくりゆっくり、まどろっこしいスピードに思える。
帰ることのできない故郷。元通りにはならない街。
原発処理も、いつ、どう終われるかわからない。
問題は山積みのまま、毎日がすぎていく。

それでも、東北は、一歩づつ、前を向いて進んでいる。

阪神・淡路大震災があったのは、今から22年前。
当時見たすさまじい被害があった光景と、
その爪痕もわずかに残るだけになった今の街並とを思うたび、
人間って日本人ってすごいと改めて思う。

そして、いつの日か、"復興後"の笑顔があふれる東北の街並みを見て、
同じことを思える日がくることを、私は信じて疑わない。


今は叶えられない夢が願いが、いつか叶うかもしれない。
それを人は希望と呼ぶんだろう。

希望が見えなくなる時もあるかもしれない。
それでも、生きている限り、希望は見えなくなっても、絶対になくならない。
夢を見続ける限り、希望を持ち続ける限り、
ゆっくりかもしれない、まだまだかもしれない、
それでも、幸せは奇跡は絶対にやってくるはず。


戻れるようになった故郷で頑張っておられる方々。
避難先で戻れる日を待ち望んでおられる方々。
新しい地で、新生活を切り開いておられる方々。
被災地で、危険な原発で、復興に尽力しておられる方々。
そして、東北の震災だけじゃない様々な天災で被害を受けたり、
いろんなつらい思いや重荷を背負って戦っておられる方々。


今日という日だけじゃなく、いつも思っています。
離れた地から、思いを寄せることしかできないけれど、
それでも、心は傍にいます。絶対に忘れません。


大切な人を笑顔にしてあげられる毎日でありますように。
大切な人の笑顔を見守れる毎日でありますように。
大切な人に笑顔を返せる毎日でありますように。


どうか、日本中の祈りが思いが、届きますように。

どうか、願いが叶いますように。


"わたしの願いはあなたが笑顔でいてほしいだけなのです"